・私自身すごく人見知りをする方なので、うまく患者さんと会話することは
中々出来なかったんですけど、1番印象に残っているのがM.Kさんとのお話しです。
お孫さんが今年大学生になられて私と年が1つしか変わらないということが
分って、すごく驚かれていたんですけど、
「将来をふわふわしたまま大学生になった気がするし、
それが心配。私の時代は食べ物もろくになくて、
将来について選択の余地もなかったけど、今は時代が良くなって、
前にはいくつもの可能性の道が広がってるんだから、
毎日を大切に精一杯生きないともったいないよ」と、言われました。
「あんなことやりたかった…という後悔もすごくあるし…」と、
言われたとき、「私も今の時点で、こうしていれば良かった、と思うことは
たくさんあります」と話したら、「そんなのダメ!終わったことはもういいの、
これからどんどん前に進んでいったらいいんだから。まだ19歳と
思っていても私の歳までだってあっという間に来るよ。
でもあなたは歯科衛生士って素敵な仕事を見つけてすごくいいと思うし、
自分の信念はしっかり持って、素敵な女性になるのよ」と、
言われました。どれもハッと気付かされることばかりでM.Kさんの
言葉で改めて考え直されました。どんなことも楽をして通ろうと思えば
通れるけど、それでは自分も全然成長しないし、
本当に1日1日を無駄にはしたくないなと思いました。
先生が来られるまでの会話だったんですけど、私の方が患者さんから
刺激や気付きを受けることが多いので、決して無駄な時間潰しだけでの
時間じゃないなと思いました。
・お母さんが治療で、2歳くらいの子どもさんと一緒に来られたとき、
治療をしている間、退屈そうにウロウロしていたので、話しかけてみたんですけど、
何の反応もなく、質問にも答えてくれませんでした。
どうにか相手にしてもらえる方法はないかなと思って動物の鳴き声を
ぬいぐるみなどを使って言ってみると、今まで無視状態だった女の子が
興味を示してくれ、自分から私の手をとって「あれは?」と話してくれました。
そしてブロックで遊んでいるうちに、お母さんの治療が終わって「帰るよ」と、
言われたときに「いや、もっと遊ぶ」と、女の子が言っていて
「また次来たときも遊ぼうね」と話すと、すごいニコニコした顔で「うん」と、
言ってくれました。
初めに話し掛けたときは、笑顔1つしなかったのに、
帰るときにはすごく楽しそうに笑っていたので、私まで嬉しくなりました。
患者さんがみんなこんな笑顔で帰っていったらいいなと思いました。
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